「子どもと関わることは自分自身を振り返ること」~自己覚知とリフレクション~
「よい関わり」と聞いて思い浮かぶことはどんなことでしょう?
子どもだけでなく自分も大切にしていく
私たちPIECESが行うCitizenship for children(略してCforC)は、「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」という想いを持った、専門職でも支援者でもない、一般市民向けに行っているプログラムです。
専門職から関わりの視点や知識を学びつつ、仲間とのワークを通して子どもと自分の両者にとって良い関わりを模索していきます。
「子どものため」を思い、自分自身を犠牲にしてしまう。
「子どものために」という自分の願いで、子どもの本来の気持ちや願いを押しつぶしてしまう。
そうではなく、子どもも自分も大切にしていく。
そのために、CforCではワークの1つとしてリフレクションを行います。
CforCで行うリフレクションとは、自分自身が持っている「願い」や「価値観(価値規範)」とその源泉(これまでの経験)を探求していくことです。
自分と向き合うリフレクション
前半は自己覚知について学びました。
自己覚知とは「自分がどのような価値観を持っているのかを自覚すること」「自分と他人が持つ価値観の違いに気づき、受け入れること」です。
もう一人の私が空から私を見つめたらいったいどう映るだろうか?このようなイメージで考えていきます。
後半は自己覚知のワークとしてリフレクションを実施しました。
このワークは、まず子どもとのやり取りで心に残っている場面を思い浮かべます。
その後、グループに分かれて問いの投げかけをしました。
子どもは何を望んでいたのだろう?私が心の底で願っていたことは何だったんだろう?改めてこの時の感情を考えてみると?子どもと私の関わりについて探求していきます。時に、自分自身を作り上げてきた過去の経験や価値観に触れることもあります。
参加者の中からは「自分の抱えている葛藤」に気が付いた。「自分の価値観」が見えてきたという感想が聞かれました。
実際の参加者からの感想を共有します。
参加者の感想(B・Aさん)
皆さんから出てくるモノ(オンラインだけど「気」みたいなもの)を浴びることができたみたいです。
質疑応答やグループワークで皆さんの話を聞いて、心臓の鷲掴み感を感じました。
あーなんでニンゲンっていう生き物選んだ?
ニンゲンはキライじゃない > ニンゲンはトクイじゃない
回復に時間はかかるけどこの感覚が好きです。
とある方が幼少期の体験は沈殿すると話していたことを思い出しました。セルフジャーナルで取り止めもなく書いていたものは、一言で「沈殿」でした。
葛藤をないものにしない
子どもとの関わりに正解はありません。真摯に関わるほど葛藤はつきものです。自分の感じた引っかかりをそのままにせず、改めて感情や考えを振り返ってみること。その過程で見えてきたものは、次の関わりに繋がる鍵となるのかもしれません。
執筆:岩田知代
編集:ゆか