市民のまなざしを持った子どもに寄り添う存在に

Photo by mimorning

この記事は、CforC2021の受講生がプログラムを通して感じた、自分自身の変化や願いについて言葉にしたものです。


CforCに出会うまでのこと

私は住んでいる地域での市⺠講座を受講し、その後約10年間小中学校で相談員をしています。学校では、「先生」と呼ばれていますが、立場的には先生でも親でもなく、学校にいる話を聞いてくれる人、見守ってくれる人、困った時に頼ってもいい人として存在しています。

子どものそばにいる存在だけに、時には深刻な話を聞くこともあります。話を聞くだけで済むなら問題ありませんが、それを学校側に伝え、家族や、外部の機関に伝えてもらわなければならないケースも起きます。

その場合、専門職ではない私には何もできず、先生方に託すことになるのですが、うまく子どもの置かれている状況が伝わらなかったり、困っている子どもが、いつも問題を抱え手がかかる困った子だと認識されてしまうこともあります。

このような状況があり、学校の中での自分の役目に限界を感じていた時、「市⺠の力を社会の力に変えていく」「子ども・若者の孤立を防ぐ市⺠性を醸成するプログラム」というCforCのプログラムに出会いました。

「市⺠性」という言葉がとても新鮮で、「これだ!」と直感がありました。市⺠が市⺠としてできる力を発揮して子どもたちの支えになるそんな社会ができたら素敵だなと思いました。

CforCのプログラムについて

コロナ禍でのプログラムはオンラインを駆使したものでした。
初めてオンラインで受講するプログラムでしたので、年齢や地域や立場が違う参加者とどう関わっていくのか、ドキドキしながら、Zoomに入りました。しかし、1回目の講座の日からすぐにドキドキがワクワクに変わりました。

CforCプログラムでは「優しい間を作る」という言葉がよく出てくるのですが、「相手の言葉に耳を傾ける。決して否定しない。安心安全な場所である。」このプログラムがまさに「優しい間」だと感じました。

講座やゼミでは第一線で活躍されている講師の方が貴重なお話を聞くことができました。そして、参加する仲間達と作業をしながらその日の課題に取り組み有意義な時間を過ごすことができました。

リフレクションでは、自分が行ってきた子どもたちとの対話を振り返り、自分の願いや、気がつかなかった想いを掘り当てることができ、もう1人の自分に会えるような経験ができました。どれもステップを無理せず上がっていけるようなよく考えられていて大変満足する内容でした。

CforCのプログラムを受けた私から

相談員としての仕事にもやもやを感じていた私にとっては、このプログラムを受けて今まで自分が行ってきた活動の答え合わせができ、「これで良かったんだ」と自分を肯定したり、「もっとこういうやり方もあるな」と気づきがあったり、「もっと自分を大切にしなきゃ」と自分に向き合うことができました。

また、受講生同士の交流も楽しく、私を支えてくれる場になっています。励ましあったり、情報を共有しあったり、新しい視点を与え合ったりしてくれる仲間に会えたことに感謝しています。

私はこのプログラムを受けてみたいなと思っている方がいたら、ぜひお勧めしたいです。専門の知識がないからとか、子どもとの関わりをしたいけど、まだ経験がないからと心配することはありません。

「市⺠として子どもに関わってみたい」という気持ちさえあれば、このプログラムを受ける中でいつの間にか様々な知識が身に付きます。勉強するぞと堅苦しい感じではなく、プログラムに身を任せればスタッフや講師の先生や仲間達が新しい世界に導いてくれます。

最後に

「市⺠性」という言葉に飛びついて参加した私ですが、私がやっている相談員の仕事は、「市⺠講座を受けてなったもの」であり、私の立場は「市⺠性を発揮できる役目だ」と改めて気づかせてくれました。

何気ない挨拶や声かけで、心が軽くなるかもしれない。いつもそばにいて見守っている存在がいるだけで勇気が湧いてくるかもしれない。泣ける場所、八つ当たりできる場所になったら、ストレス解消できるかもしれない。私ができることをしよう。特別なことをしなくても、私の気持ちを子どもたちに向けていればいい。いざというときは一番の味方になって一緒に考えよう。そして、周りの先生や専門職の人たちにスムーズにバトンをつなぐ方法をもっと考えよう。そんなことを今思っています。

これからも、このプログラムで学んだことを生かし私らしく子どもたちのそばにそっと寄り添っていこうと思います。

執筆:CforC2021修了生 Y.R

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