子どもと関わる時の「役割」を手放せるようになった CforC修了生インタビューvol1

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子どもと関わるときに、「役割」なんて必要ない、その時々に生まれてくる自分の気持ちを大切にしながら一緒にいればいいのだとわかりました。勝手な判断を下したりせず、目の前にいるその子の気持ちや言葉を最優先にしながら、ともに関係性を育んでいきたいです。(インタビューより一部抜粋)

CforC2020年修了生のインタビューVol.1です。
社会人として会社で働く傍ら参加をしていた糠塚歩里さん。参加したきっかけや、ご自身で変化したと感じる部分をお伺いしました。


糠塚 歩里(ぬかつか あゆり)
一般企業の調達部門で人材育成を担当。
大学時代に発達心理学を専攻し、現在社会人として2度目の心理学生。学びの延長線上で出会ったCforCをきっかけに、京都の子ども食堂にボランティアとして参加している。


―CforCに参加したいと思ったきっかけは?

社会人をしながら心理学を学んでいるときにPIECESとCforCの存在を知り、
私も目の前の子どものことを考えられる人でありたいと思って申し込みました。

―CforCのプログラムで特に印象に残っていることを教えてください。

市民性という言葉とリフレクションです。
CforCが掲げる、「目の前の子どものプロになって優しい関わりを持つこと」が「市民の専門性」だという考え方が、私にはとてもしっくりきました。

だからこそ、市民性には自分の価値観がにじみ出ると思うし、子どもと接する中で出てきた行動や想いを紐解いていくリフレクションは貴重な経験でした。

リフレクションでは、プロセスレコードを使って自分の経験を細やかに振り返っていきます。何を見て、何を感じ、私の心がどう動いたかを客観的に捉え直すなかで、自分が過去に経験したことなどの積み重ねで今の行動や感情ができているのだと改めて気づく機会になりました。

また、リフレクションで参加者同士が問い掛け合い、誰かの視線が交わることによって自分のなかに新しい問いが生まれることや、誰かの経験や思いに寄り添うという行為そのものが私には温かく感じられて、大好きな時間でした。

―プログラムを通じて、ご自身が「変わったな」と思うことはありますか。

一番は、ありのままの自分で子どもと関わっていいのだと思えるようになったことです。子どもと関わるときに、「役割」なんて必要ない、その時々に生まれてくる自分の気持ちを大切にしながら一緒にいればいいのだとわかりました

また、勇気を出して一歩を踏み出せるようになりました。私はこれまで、新しいことを始める前には石橋を壊れるくらいまで叩くタイプだったのですが、今は「ちょといいかもしれない」と思ったらもう片足が出ている(笑)。これは、CforCを通じて出会った皆さんと共感し合い、応援し合える関係を築けたことも大きく影響していると思います。

CfroCの一番の宝は「人との出会い」だと思います。外ではそれぞれ仕事や役割を持つ人たちがCforCで出会い、短い期間に一気に信頼関係を結んでいけたのは本当にすごいと思うし、「新しい出会いを怖がらなくていいんだ」と実感しました。この先も、奈良クラスで出会った皆さんと手をつないで一緒に何かやっていける関係でありたいと思っています。

―CforCのプログラム開催期間中に、子ども食堂での現場実践もスタートされました。

何より子どもが好きだ!という想いから週1回ペースで通っています。CforCに参加する前に思っていた「子どもたちに何をしてあげたらいいだろう?」という気持ちはなくて、ありのままの自分で子どもたちと一緒にいる時間を純粋に楽しんでいます。そんなふうに過ごすからこそ、子どもたちがある日ポロっと大切な話をしてくれることがあるかもしれない、と感じます。

一方で、想像力はしっかり働かせておきたいと思っています。いろんな可能性を持ちながら人と向き合うことの大切さは、まさにリフレクションから学びました。勝手な判断を下したりせず、目の前にいるその子の気持ちや言葉を最優先にしながら、ともに関係性を育んでいきたいです。

私にとって、CforCでの学びは何度でも立ち帰れることができる居場所のような存在です。CforCのプログラムが終わった今でも、改めてノートにメモした内容を見返してハッとすることがあります。ときどき振り返りながら、学びを自然に実践できるようになれたらいいなと思っています。


参加する中で子どもと接するときの「役割」を手放せるようになったと語ってくださった歩里さん。リフレクションを通して温かい問いかけ合いも感じてくださっていたようです。子ども食堂での実戦もスタートされ、学びを活かして自分なりに活動を始めていらっしゃいます。

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